シナジーの介援隊

平成も終わる平成30年にこのページに、検索エンジン経由で辿り着く者もいないと思うのですが、年末の掃除をしていて見つけたので過去を振り返ってみたいと思います。"シナジー"という会社が開発していた"介援隊"です。

介援隊の自分フロッピー
介援隊の自分フロッピー

介援情報システムの導入

私が働いている法人では介護保険が始まる前から訪問看護サービスと老人保健施設サービスを提供していました。介護保険がはじまるにあたって居宅介護支援事業所、訪問介護事業所を開設することに。あわせて各サービスで使う情報システムの導入を検討しました。そんな介護情報システム導入の担当をしたのが転職してまだそれほど経っていない私でした。

当時、法人の医療機関で使っていたシステムは富士通。既設の訪問看護ステーションでは富士通のSE地域子会社が提供していたソフトウェアを使っていて、老人保健施設では富士通経由で(?)導入したというワイズマンを使っていました。となると、既定路線(?)は富士通になるのでしょうが、富士通は「選ばれて当然」といった態度(ーー:。そんなところから導入すると皆が不幸になります。

そのため他ベンダーからも話を聞くことに。結果、当時まったくお付き合いのなかったIBMの提案を導入しました。

ちなみに当時、ワイズマンにも提案をお願いしたのですが、私どもには提案できないといった旨の回答をもらいました(苦笑)。富士通とのナニかがあったのかもしれませんが、私が(介護システムを)担当している間は候補にあがることもないでしょう。

訪問介護事業所に介援隊(シナジー)

IBMの提案は複数ベンダーのシステムを合わせたもの。訪問介護事業所が使うものがシナジーの"介援隊"でした。導入当初は本当に苦労しました。請求時期に各事業所の所長が集まって請求処理をしたりも。当時は事業所もベンダーも、そして国保連も何が正しいが曖昧でした。国保連に問い合わせして間違いを回答されたりもしましたし(涙)。

そんな介援隊ですが、数年使ったあとだったでしょうか、C/SシステムからWEBに移行し"WEB介援隊"に(当時はASPサービスと呼んでいました)。これは、私どもの「携帯電話を使ってサービス予定や実績を登録できるようにしてほしい」という要望に応えるためでした。移行当時はいろいろトラブルが多かったのですが、まともに使えるようになると現場の評判もよかったと思います。

そんなシナジーは、別業界にもASPサービスを展開。株式公開を狙っていたという話もありました。

シナジーは民事再生、数年後"WEB介援隊"も終了

しかし介護システム業界は期待していたほどではなく、また別業界に手を拡げたときの開発費も回収できなかったのでしょう、シナジーは民事再生となりました。

介護保険が始まった時に竹の子のように多くの会社が参入しましたが、最初の改定の頃になると撤退の話も多く聞いていました。「撤退する会社のシステムを使っているユーザーは大変だなぁ」と思っていたのですが、数年後自分に降り掛かってくるとは。

幸い、"WEB介援隊"は介護システムに参入しようとしていた別の会社に譲渡されたのですが、思い通りにいかなかったようで数年でサービス終了。"WEB介援隊"はそのサービスを完全に終了したのでした。

現在の介護システム業界

シェアで考えると、ワイズマンとNDソフトウェアの2社でしょう。あとは医療法人がやっているところは医療システムからの流れで富士通を使ってたりするのでしょうか。その下はいろいろなベンダーがたくさん存在しているみたいな。私がいる法人が使っているのは、そのたくさん存在しているベンダーのひとつですが、大手が対応できないカスタマイズにも対応してくれて助かっています。

その会社もこれまで事業譲渡や民事再生があって、開発やサポートを担当している方々は変わっていないのですが、会社名が何度か変わりました。そのときは胃が痛い日々が続きましたが、今は落ち着いています。これからも安定したサービスを提供してほしいものです。